こんにちは。ミタ氏です。プレゼン編はこちら
今回は、アップセルで訪れた先がなんと「お寺」だったという、ちょっと特殊なエピソードをご紹介します。

前回の記事で触れた『アポ架電3件全成約』のうちの1件です。
まだ読んでない方はそちらから読んだほうが面白いかも。
今回お伝えしたいことは、ズバリ「商品説明に入る前に関係性を築こう」です。
でないと一生懸命話しても「困ってないので」ってなるんですよね。
ただもう少し具体的に言うと、大切なのは「関係者全員と関係性を築く努力」です。
相手陣の誰か1人でも不信感を持っていると成約にはなりませんし、もし仮に成約しても「実はケンカしまして…キャンセルさせてください」ってなりかねません。
いかに主権者以外の人にも配慮できるか…今回はその点について学べると思います。
アプローチ編│お寺でのエピソード

あれ~、どこだ~?
地図アプリでは住所が合っているのに、Uさん(お客様)の表札が見当たりません。
すでに約束の時間を10分過ぎて少し焦りがありました。
「表札が見つからなくて…」という言い訳を考えながら、すぐにお客様に電話しました。

すみません、着いたと思うんですけど、表札が見当たらなくて…
女性「○○寺ってところなんですけど、今どの辺ですか?」

すみません、ちょっと聞こえなくて、もう一度いいですか?
女性「○○寺っていうお寺です」
まさかお寺とは思わなくて聞き返したら、本当にお寺でした。
思わず心の中で「お寺かい!」と突っ込みつつ、地図アプリを確認すると道路を挟んだ先に「○○寺」の文字。

えー…あ、○○寺ありました! すみません、すぐ行きます
境内の先に、一戸建てとUさんの表札
立派な山門をくぐり、境内を抜けると奥に一戸建てがありました。
表札も発見。今回の目的地とわかってホッとしつつ、すぐに家の周囲を確認しました。

光回線は…あった。NTT線ね。どこの会社だろう。そもそもNET使ってるのかな?
そしてお客様情報も再確認してから、インターホンを押しました。
最初の一声は「明るく丁寧に」が鉄則です。…たとえ遅刻したとしても!

大変お待たせいたしました!○○社の三田です~
男性「はい。扉開けて入ってください」
電話の時は女性だったため“入ってください”に一瞬戸惑いつつも、指示に従いました。

玄関広っ!まるで旅館みたい!
玄関に足を踏み入れた瞬間、その広さに圧倒されました。数十人が集まれるほど大きくて清潔感のある玄関は、まさに旅館のような作りでした。
しばらくすると、奥の扉が開きました。

ああ、お待たせしました

あ、お世話になっております。○○社の三田と申します
僕「大変お待たせしてしまい申し訳ございませんでした。それにしても、大きなお家でいらっしゃいますね~!」
玄関先で確認したお客様情報では、契約者は70代のはず。

つまりは息子さんかな。雰囲気的に「主権者」っぽいな
出てきたのは坊主頭でふくよかな体型の男性でした。
…坊主頭というか、まさしく坊主(ご住職様)です。

もしよかったらスリッパ使ってください

ありがとうございます。それではお借りしますね
革靴を脱いでスリッパに履き替えながら「雑談あきらめよ…」と思いました。お寺のことなんてわからないですし、お家の印象を伝えても会話が全く広がらなかったからです。

じゃあ中へ案内いただいてもよろしいでしょうか?

ええ、こちらへどうぞ
お子さんに挨拶して、それから本題へ
ついていくと、奥の扉の先は長い廊下でした。ですが奥まではいかず、すぐ右手の部屋へ案内されました。
扉を開けると、小学生くらいの女の子が2人いました。1人は床で、もう1人は大きなテーブルでお絵描きに没頭中。

あ、2人ともこんにちは~。○○社の三田です~。今日はちょっとお邪魔します~
相手が小さなお子さんでも礼儀と敬意は欠かしません。
お子さんへ挨拶を済ませた後は、すぐに本題に入りました。

それじゃあ今日はプラン変更の案内をさせていただきます。こちらのテーブルをお借りしてもよろしいでしょうか?

はい。みーちゃん、ちょっとそこどいて
大きなテーブルを独占していた子に1席分譲ってもらい、ご主人が着席。僕はその対面です。

恐れ入りますが、こちらに荷物を置かせていただいてもよろしいでしょうか
許可をもらってから床にシートをひき、荷物を丁寧に下ろし、バインダーと使いそうな資料をカバンから抜いてテーブルに起きました。
そして椅子の横に立ち、ご主人とお絵描きに没頭しているお子さんに社員証を掲げながら“儀式的”な挨拶をしました。
僕「改めまして、○○社の三田○○(フルネーム)と申します。本日は貴重なお時間を割いてくださり誠にありがとうございます。
今日お話し聞かれて「いいな~」と思っていただけた場合は、今回でしたら無料でプランと機材の両方を新しくさせていただきますのでよろしくお願いします」
この挨拶で“正式な開始”を印象づけます。ここからが本題、プレゼンのスタートです。
まとめ
このときのアプローチは、あまり良いスタートではありませんでした。
- 少し遅刻
- 雑談失敗
- 契約者ではない(主権者かもしれないし、違うかもしれない)
でも前回の記事でお伝えした通り、最終的には無事にインターネットの契約をお預かりできました。
ちなみにケータイのSIMも4回線ご注文いただきました。
結果的には関係性を築けたわけですが、やはり大切なのは「いかに商品説明の前に関係性を築けるか」です。
さもないと…
- 困ってないので
- 検討します
- 家族に相談します
となり、高確率で失注します。
ただ、今回うまくいったところもあります。
それは「礼儀」です。
特に覚えておいてほしいのが、「リテラシーが低い人ほど、営業を信じるしかない」という現実です。
この後に続くプレゼン編で、Uさん一家が通信関係に弱いことが明らかになります。
そんなとき、人はどこを判断材料にしているのか…そう、営業マンの振る舞い方なんですね。
ぜひこの続き(プレゼン編)も読んでみてください。
今回は以上です。

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