【営業のプロが解説】ネット頻繁に乗り換えるメリット・デメリット!切り返しトーク付

こんにちは。ミタ氏です。

今回は「インターネットの乗り換え」についてです。

2年か3年ごとにインターネットを切り替えたら、その度にスタート割やキャッシュバックを受けられてお得では?

実際その通りで、各通信事業者は乗り換えを促すためにさまざまな特典を打ち出しています。

そして営業の立場的にも「気軽に乗り換えてほしい(実績になるから)」という本音があります。

とはいえ、販売店や営業があえて触れない“落とし穴”があるのも事実。

毎年300件以上インターネットのお申込みをお預かりしている僕が、プレゼン中ではあえて話さない「乗り換えのリスク」を紹介します。

乗り換えを検討している方はもちろん、切り返しトークのネタを増やしたい営業マンも、ぜひ参考にしてください。

そもそも「2年ごとに乗り換えればお得」は本当?

家電量販店などで、次のように案内された経験がある方も多いと思います。

2年ごとのお乗り換えで毎回キャッシュバックもらえてお得ですよ!

確かに事実です。乗り換えを促すため、新規契約(転入)に対してどの通信事業者も高額な特典を設定しています。

しかし、ここで整理しておきたいのは――「お得そうに見える仕組み」自体が、企業側の営業戦略であるという点。

中でも家電量販店の「ポイント還元」はお店側にとって非常に好都合。

現金不要で、自社ポイントを付与するだけでお客さんはまた来店してくれます。

そしてもしお客さんが2年ごとに来店してくれてdocomo・au・Softbankを行き来してくれたら、いわゆる「紹介料」が2年ごとに入るわけです。

でもお客さんには説明しない隠し要素もあります

例えば手数料・解約金・工事費残債・再設定の手間など、見えないコストが裏に存在します。

だからこそ「お得感」で切り替えを検討されている方は、この記事で紹介するメリット・デメリットを1度じっくり検討したほうがいいかなと思います。

現場から見た「乗り換えの実態」―毎年300件以上をサポートして感じること

光回線のお乗り換えにたくさん携わって思うのは、ズバリ「計画通りにはいかない」です。

絶好なタイミングで切り替えることを前提に、みなさん最大利益を思い描いていますが…なかなかそうはならない。

中でも残念でならないのは、「旧通信事業者の解約忘れ」です。

新ネットと旧ネットを両方払い続けてるんですけど!

解約絶対してくださいって言いましたよね。紙に書いて渡しませんでしたか?重説と一緒に保管してませんか?

あ…三田さん一生懸命やってくれたのに…電話すればいいんですよね

はい、このあとすぐに解約の電話入れてください!

このようなやりとりが全体の10%、10人に1人が「うわー!」となります。

2重払いでショックを受ける人たち
  • 解約し忘れた
  • 解約が未完了だった
  • 解約が必要と知らなかった

そんな中、次のようなキャンセルのお電話がごく稀にあります。

2年ごとに切り替えたら得って家電量販店の人に教わったから、○○社さんにします

む、無謀すぎる…!!

プロの僕ですら「面倒くさい」と思うのに、本当に2年ごとにお切り替えできるんですか?!

…とは言いませんが、代わりにこの記事で紹介するデメリットや隠れたコストを伝えて、結局はこちらにお申込みいただいています。

具体的なトークも最後に紹介しますね。

というわけでここからは、よく知られるメリット・デメリットだけでなく、見落としがちな要素や、営業が語りたがらないリスク・コストについて紹介します。

光回線「乗り換え」のメリット

まずはメリットからです。

営業されてないのに検討している方は、おそらく現状の「料金」か「品質」のどちらかに強い不満があるのだと思います。

また営業の立場から言うと、以下の3つの切り口にプレゼンを寄せていけば成約率は必ず上がります。

キャッシュバック・スタート割

1番わかりやすいメリットですね。破格のキャッシュバックはシンプルですがとても強力で、金額を示すだけで人の心をギュッと掴みます。

品質やランニングコストでは勝ってるのに、キャッシュバックがエグくて負けそうになることが何度もありました

だからこそこの記事を書こうと思いました。

月額料金が下がる(かもしれない)

ランニングコストが下がったら間違いなくメリットです。

とはいえ、インターネットの料金はどの通信事業者もほとんど同じです。

なのでネット単体での他社比較はほとんどしません。

ケータイと光回線でセット割適用可、あるいは楽天のようにまとめるとポイント還元が大きくなるタイプだと実質負担が下がってお得になります。

設備が一新され快適に(ルータ交換など)

このメリットは誰にとっても非常に大きいです。

この記事を書いている時点ではwi-fi6という規格が普及していますし、wi-fi7も市販で売られています。

ところが少し前まではwi-fi5が一般的でした。

もっと前のwi-fi4なんて誰も…と思いきや、飛び込み営業で「10年以上前の契約から1度もルータ交換していない」という人が存外多く、wi-fi4やwi-fi5を使ってる人が意外と多いです。

規格が古いと速度が出なかったり、セキュリティが脆弱だったりします。

ですので、乗り換えは定期的にしたほうが良いと思います。

光回線「乗り換え」のデメリット

続いてデメリットです。

真っ当な営業マンならキチンと説明します(ただし「やる」と決まってから)。

もし乗り換え検討中なら、デメリットも念頭に置いて決めてくださいね。

事務手数料がかかる

どの通信事業者でも、事務手数料3000円(税抜)がかかります。

大した金額ではありませんが、短いスパンで乗り換えを繰り返すつもりの人はしっかり計算に入れたほうがいいと思います。

例えるなら、株式投資の手数料です。長期トレーダーには一切影響ありませんが、デイトレーダーには重くのしかかりますよね。

僕がよく使う切り返しトークです。だから長期で、つまりランニングコストで選んだほうがいいんですよ、となります。

ネットでもケータイでもかかるので、打算的に乗り換えするつもりの人は要注意です。

違約金・工事費残債の支払い

長期契約(2年・3年・5年など)の場合、更新月以外の解約で違約金が発生します。

また、長期利用で「工事費実質無料」になるケースがほとんどですが、短期解約すると工事費残債が請求されます。

違約金と工事費残債を負担してでも「そっちに切り替えたい」と思っていただくのが営業の腕の見せ所です!

もし工事費残債もなく、しかも更新月で乗り換えできそうならキャッシュバックは満額に近い形で受け取れるので、1度契約期間を見直してみてはいかがでしょうか?

違約金・工事費が「かからない(支払い済みの)」会社も中にはあります。

手続きに手間がかかる(解約・返却・再設定)

手間がかかるのはデメリットですね。

ネットリテラシーが高い人は苦ではないかもしれませんが、ほとんどの人は大変な思いをされています。

「手続きが面倒で」という断り文句が非常に多いです。その気持ち、わかります

さらに「解約忘れ」というリスクもあります。

使っていない旧通信事業者に払い続けるほど無駄なコストはありません。

ブラックリストに載るかも…

2年に1度くらいの乗り換えであれば特に問題ありません。

ただ中には、“キャッシュバックを受け取ったらすぐ解約して次へ乗り換える”という人もいます。

実際、別の営業マンが中国人のお客様から契約を取ったとき、短期解約を繰り返していたためにブラックリスト入りしており、申し込みが却下されたそうです。

この記事で1度お伝えしましたが、キャッシュバックはあくまで企業の販売戦略の一環であって『プレゼント』ではありません。

なので企業には“自社に損害をもたらす人”を拒否する正当な権利があります。

日本でネットが契約できなくなっちゃいますから「キャッシュバックで稼ぐ」のはあきらめましょうね

1回だけなら超短期解約をしてもブラックリストには載りません。試したけど使えないなら仕方がないからです。

気づきにくい「隠されたリスク・コスト」

ここまでは一般的なメリット・デメリットを紹介しました。

キャッシュバックやスタート割で得られる「プラス」と、手数料や違約金にかかる「マイナス」の差額が実際の「お得」…と思うじゃないですか。

実は他にも見落としがちなリスクやコストがあるので紹介します。

キャッシュバック特典に加入条件がある

キャッシュバックを全額受け取るには、いくつかの条件が設定されている場合がほとんどです。

  • でんき加入で~円もらえる!
  • このオプション加入で~円もらえる!
  • 全部適用で~円!!(例えば10万とか)

短期解約OK!キャッシュバック適用条件なんで一緒につけますね

こんな風に、家電量販店のスタッフや営業マンは当然意識でオプションをベタ付けしてきます。

でも本来いらないサービスなら、その分損を負わされます。

なにより「解約忘れ(オプション外し忘れ)」でかえって大損している人たちが本当に大勢います。

キャッシュバック減少傾向

景気が悪いのか、お客さんへの還元率は年々低下しています。

どの通信事業者もキャッシュバックやスタート割の額を減らしています。うちもです

つまり2年後や3年後に今と同額のキャッシュバック・スタート割を受けられるとは限らないということです。

解約完了までの2重払い期間

「解約を忘れずにやった」場合でも、基本的に2重払いになる期間は発生します。

  • 固定電話の同番移行(2週間くらい解約不可)
  • 月末締め(月初に解約してもその月分払う)

工事完了前の旧ネット解約はおすすめしません。「工事不可」があり得るからです。

キャッシュバックを受け取れる時期はずっと遅い

みなさん、申し込んですぐもらえるものと思っているようですが…

そんな会社、ほとんどないです。

理由は「大金あげた直後に支払い停止されたら大損確定」だからです。

一般的にはサービス料から現金を回収して、半年とか1年とか(中には2年とか)継続利用いただいた場合のみキャッシュバックするものなんですね。

ですので、今すぐ現金が必要だからという人は気をつけてください。

手数料や違約金など、むしろ出費がかさむはずです。

キャッシュバックー(乗り換え費用+想定外のコスト)=?

キャッシュバックが大きいと「やった!」と思いますよね。

ですが実のところ、以下のコストも発生します。

  • 手数料や違約金+解約日までの2重払い
  • 特典適用条件の“加入”(無駄な出費)
  • 手続きや工事立ち合いの手間

つまるところ、キャッシュバックの“実質的なお得”は思ったより少ないのです。

じゃあどうする?“損しない乗り換え方”と“賢い選択肢”

乗り換えしたほうがお得になるなら、乗り換えたほうが良いです。

ただし「キャッシュバック」に釣られて乗り換えるのはおすすめしません。

単発で終わってしまうメリットではなく、長期的なメリット「月額料金」と「品質・設備のアップグレード」で選べばまず失敗しません。

月額料金の見直し

単純に、同じ品質で通信費が安くなるか、品質が上がって料金同じなら変えちゃったほうがいいです。

もし仮に月1000円しか安くならないとしても、年間で1万2000円は確実に節約できます。

これは100万円分の株式投資をして1万2000円の配当金をもらうよりも価値があります。

というのも、業績によっては配当金をもらえない年もありますし、なにより株価が下がるリスクもあります。そもそも100万円を用意しなくちゃ配当金がもらえません!

ところが通信費の節約は「確定」で1万2000円稼げるんです。

たった1000円でも1回頑張ったら一生もらえるお金です!なので乗り換えちゃいましょう!

回線速度・ルータのアップグレード

貸与されているルータの裏側にラベルが貼ってあると思います。

小さいルータだと記載がないので、その場合は型番でネット検索しましょう。

そこに「11ax」という記載がなければwi-fi6ではないので、新ルータに変えたほうが良いです。

そしてお乗り換えすればwi-fi6やwi-fi7を設置してくれます。

キャッシュバックやスタート割で得するうえに、セキュリティや性能が良くなるのですから、5年に1回は乗り換えたほうが良いと個人的に思っています。

営業マンが知っておくと強い「切り返しトーク」

最後に少しだけ営業マン向けの内容「切り返しトーク」を紹介します。

この記事の途中にも、楽しんでいただけるように営業トークを入れてます。

想定するケースは以下のような、この記事を書いたキッカケでもある「2年ごと作戦」に魅力を感じちゃったパターン。

2年ごとに切り替えたら得って家電量販店の人に教わったから、○○社さんにします

2年ごとの乗り換え←「想像してください」で萎えさせる

人は面倒くさいことが大嫌いです。その習性を引き出すように「どれだけ面倒くさいか」を語りましょう。

確認ですが、キャッシュバックを満額受け取るにはネットとSIMの切り替えが必要なんですよね?

ええ、インターネットとケータイを乗り換えると10万円貰えるみたいです

なるほど、インターネットとケータイの両方のお手続きが必要なんですね?(あえて強調)

僕「ちなみに家電量販店で聞いた内容はすべて理解してます?」

いえ、全部じゃないんですけど、実質5万円は手元に残るみたいですよ

「実質」の内訳を確認。工事費や手数料との差し引きで「5万円がプラス」と判明

なるほど。5万円といっても、2人合わせてなので1人あたり2.5万円ですよね?

まあそうですね。でも5万円は大きいでしょ?

5万円は大きいように感じるかもしれませんが、もしかしたら「割に合わない」かもしれませんよ?ちょっと想像してみてください

僕「これからまた家電量販店に行って手続きしますよね。何分で手続き終わると思いますか?」

たしか結構かかるわよね。昔2人でショップに行ったら半日くらいかかったかしら…

そうなんですよー。みなさん「めっちゃ時間かかった~」っておっしゃいます

僕「ちなみに“メール持ち運び”ご希望でしたよね。あと今のキャリアが出してる専用アプリが全部使えなくなっちゃいます。もし機種変されるなら、今回しなくてもいずれするでしょうから、データ移行もしなきゃですよね。

その辺は全部自分で設定しないとなんですけど、できます?しかも2人分ですけど…」

えっ、お店の人やってくれないの??

1台あたり5000円出せば設定やってくれますよ。でも実質5万円だったのが4万円になっちゃいますけど、いいんですか?

あら、そうなの~

じゃあ手続きは半日かけて無事終わったとしましょう。そしたら次に、工事の日を想像してみてください

僕「工事の立ち合いで、3時間~半日かけて工事終わった後ですよ。それも大変だと思いますが、とりあえず工事終わったら今のプロバイダに解約の電話をしますよね。手続き何分ぐらいで終わると思いますか?」

そうね~(想像中)

そしたら、解約の流れをお話しましょうか

僕「電話すると、まず自動音声が流れます。適切な番号を押していって、解約窓口のオペレーターさんにつながります。ここまでで30分くらいはかかりますね。しかも重要事項説明に結構時間取られるんですよ~。

さらに解約した後もまだ終わらないです。ルータを梱包して返却しなきゃなんですよ~。なのでお近くのコンビニに行ってください。これやらないと「返せ」っていうハガキが何十回でも届きます。

ちなみに、解約の電話でオペレーターさんから“違約金”について案内あるんですけど、今使ってる光回線って違約金いくらかご存知です?」

えっ10年以上使ってるのに違約金かかるの~?

更新月以外のタイミングだとだいたい違約金かかりますね~

僕「最初の話だと5万円貰えるということだったじゃないですか。でも想像してみると案外やらなきゃいけないことってたくさんありますし、何より“次の会社探し、申込手続き、工事立ち合い、解約手続き”という一連のプロセスを今後2年おきにやらなきゃいけないんですよ。家電量販店で受けた提案って、そういうことなんです。

実際、今まさに決めかねているじゃないですか。この「考える時間」も今後何度もやらないと「キャッシュバックでお得に乗り換え」作戦は使えないんですね。

○○さん、改めて想像してみてください。今後2年おきに、全部自分で調べて、いい会社選んで、乗り換えのためにショップに行って、解約のために電話して、撤去工事も立ち合いして、なんなら違約金も払って…これ、ぶっちゃけ面倒くさくないですか?!」

そうね~。頻繁に乗り換えはしたくないわね~

僕もそう思います!だからこそお任せください!月額料金は最安値で設計しますし、面倒な手続きの大部分はこちらでやりますから!

コツは「想像してください」を皮切りに、相手が見えていない部分をストーリー化することです。

テーマが光回線に寄ってしまったので申し訳ないですが、「相手の目が$(お金)」になってるなと思ったら

「想像してみて」「割に合わないと思わない?」

これで萎えさせましょう。欲に目がくらんでいる人には効果絶大です。

まとめ

今回はキャッシュバックを絡めたネット切り替えのメリット・デメリットについて記事を書かせていただきました。

ちなみに最後まで読んでくださった方は、いったいいくら貰えたら面倒な手続きを頑張れますか?

お乗り換えを検討する際は、ぜひ「節約」と「ルータ交換のタイミング」を基軸に会社を選んでください。

安くなって、ルータの規格もアップグレードできたら、どこの会社を選んでもきっと満足感を得られるはずです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

今回は以上です。

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