営業は順番が9割!姉のひと言で家族が動いた営業トーク│続き

前回の記事(アプローチ編)の続きになります。

前回は十分に和やかな雰囲気で着座している状況が作れました。

これからプレゼンに入りますが、いきなり“提案”には入りません。

「現状確認→必要性→テスクロ→プレゼン」からの提案(背中を押す)、という順番がとても大切です。そしてそれこそが成約を爆上げするためのカギになります。

この記事では、僕が普段から行っているプレゼンの流れ~現状確認からクロージングまで~を、会話そのままで追っていきます。

絶対に役に立つので、楽しみながらお読みくださいね!

プレゼン編│姉弟と黒犬のエピソード

場が整ったところで、ここからがプレゼンの始まりです。

とはいえ、営業的には「現状確認」が先なので、厳密にはまだ“プレゼン”ではありません。

まずは来た目的「新しいプランの案内」をして、それから“仕込み”に入ります。

プランの案内トークは会社バレするので割愛します。

というわけで、プランの説明をした後のトークから。

それでは、新しいプランにしても問題ないか確認させてください。

僕「確認して問題なければこのまま作業日(プラン変更日)決めて、サインいただいて今日はおしまいです。それで確認なんですが、このプラン、動画配信サービスが含まれるのでネット環境が必要なんですね。

Wi-Fiはあると思うですけど、その品質に問題がないかチェックさせてください。これはプラン変更した後に『使えないじゃないか!』というお問い合わせを事前に防ぐためでして、直接ルータを見させていただくか、もし難しければ正面のランプと裏のラベルの写真を撮ってきていただけますか?

現状確認をさせてもらうために、自然な流れと正当な理由を用意。“この瞬間”のために逆算で架電やアプローチのトークを作っています。

現状確認で課題や問題を把握する

まあ、見せるのはいいんですけど、すごく散らかってるな~

ありがとうございます!散らかってても大丈夫ですよ

ではこちらへどうぞ

奥の部屋に案内されると、出窓に市販のルータが置いてありました。

これはTP-Link(ルータの名前)ですね

僕「光回線の会社からレンタルしてるルータはお持ちではないですか?」

いや、なかったと思いますね

僕「そうなんですね。ありがとうございます。TP-Linkだと…ここ見ていただきたいんですけど、ラベルが小さくて情報があまり載ってないんですよね。なので速度を測定してみましょうか。ケータイをお出しいただけますか?」

「ルータ確認+速度測定+ケータイ出し」これができたらほぼ全員、NETとモバイルをお申込みくださいます。

さっきの部屋に置いてきちゃいました。持ってきます……持ってきました

ありがとうございます。そしたらブラウザで『速度測定』と検索していただけますか?

はい。えーっと? これですか?

そうですそうです!では計測ボタンを押してみますね…

僕「あー、ルータ目の前にあって160Mbpsくらいですか…ちょっと、いやだいぶ物足りないですね」

へー、はじめて知りました

ではお調べできたので、さっきのリビングに戻りましょうか

これで“仕込み”はバッチリ。今度こそプレゼンスタート!

課題・問題の大きさに気づいてもらう

再びリビングへ戻り、先ほどの椅子に腰を下ろしました。いつのまにか黒いワンちゃんはぐでっと横になって寝ています。

お調べしたら、インターネットの品質は正直微妙でした

僕「160Mbpsというのは物足りないですね。一般的に1Gの契約なら300~400、遅くても200~300はみなさん出てますから、もし今の料金が相場通り6000~7000円だとしたら…これは正直、過払いというか、ボッタクリに近い状態なんです。

ちなみに、もし仮にうちのインターネットだったらなんですけど、みなさん700~800は出ていらっしゃいますよ」

5Gの契約ならそれくらいの速度出ます。

速度の目安(1Gbps契約)
  • 一般的な速度:200-400Mbps
  • 今回の実測:160Mbps
  • 自社の場合:700-800Mbps(契約内容により変動)

え~、うちだいぶ遅いんですね~

“料金(費用)”の現状確認はマスト

そうですね。ただ誤解しないでいただきたいのですが…

僕「もし160Mbpsでも月3000円くらいなら、逆に相当お得です。半額なんて相場から乖離してて、僕だったら3000円でインターネット使えるなら160でも大歓迎ですね笑

つまりポイントは“今どれくらい払っているか”なんですけど、実際毎月いくらくらいお支払いされていますか?」

うーん、わからないな…

ケータイに“My○○”というアプリは入ってませんか? それ見れば一発でわかりますよ

うちケータイは(キャリア)社で、インターネットと紐づいてないんですよ

あ~そうなんですね!

僕「それならアプリはたぶん入ってないかもしれませんね。○○社さん、たしかに安いですもんね~。

でしたら、クレジットの引き落としで料金がわかるかもしれません」

なるほど、ちょっと探してみます

弟様が奥の部屋へ探しに行くと、次の瞬間“成約を確信した出来事”が起きました。

アプローチの質が“良い流れ”を引き寄せる

弟様の姿が見えなくなった瞬間、お姉様がふと口を開きました。

ところでうちの○○社(ケータイ)なんですけど、これよりもっといいのってあるんですかね?

この時、成約を確信しました。質問の内容と、お姉様の表情や雰囲気、体の向きなどから『あなたの提示する商品・サービス使います』というメッセージを感じ取れたからです。

あとはガツガツいかず「中立的な意見」と感じてもらえるように案内するだけです。

そうですね、○○社さんを使ってる方は多いですし、強みもあります

僕「特に買い物でもらえるポイントをケータイ料金に充てられますよね。それでケータイは0円って思ってる人もいますけど、Kさんはどうですか?」

私はケータイ料金では(ポイント)使ってないですね~

そうなんですね。そしたらその点は他のキャリアを使っても問題ないですね

僕「逆に○○社さんの弱いところは、地下やビルの中だと電波が入りづらいところですかね~。Kさんは使ってて『電波悪いな』って感じたことってありますか?」

しょっちゅうあります。『○○社は電波が悪い』ってよく聞きますけど、ホントなんですね~

今まさに、お姉様ご自身が「乗り換えの理由」を作り始めています。

「なんとなく→理解・納得」にきっちり落とし込む

僕はさらに説明を重ねました。

僕「そうですね~。私年間で1000名くらいの方とこんな風にお話させていただくんですけど、○○社さん使ってる人はみなさん『安いけど、(回線の)繋がりがな~』っておっしゃいますね。

でも事実として、仕組みからして仕方がないんです。これ一般論としてなんですけど、“プラチナバンド”って言葉聞いたことってありますか?」

ん~、ないと思います

ケータイの電波には壁を通りやすい帯域があって、それを“プラチナバンド”って言うんです

僕「実はそれ、docomo・au・Softbankの三大キャリアが独占していて、後から参入した○○社さんは使えないんですね。だからどうしても電波が不安定になりやすいんです。

ちなみにうちもケータイのSIMを扱ってるんですけど、うちはプラチナバンドが使える回線なので、もし仮に料金が全く同じだとしても、うちに変えるだけで電波の問題は解消できると思いますよ。ちなみに毎月いくらぐらい払ってるんですか?」

実はスマホとiPadで2台あって、両方で4000円超えるくらいですね

え、そうなんですか? もしかしたらうちだと2000~3000円でいけちゃうかもです

僕「もし仮に1000円でも安くなったら乗り換えてもいいって思われますか? それとも○○社にこだわりってあります?

安くなるなら全然乗り換えちゃっていいですね笑

大切なテストクロージングです。特に「こだわりあります?」はすごく使いやすいですよ。

そうですか笑。ありがとうございます

僕「では今度こそ“My○○”というアプリ、入ってませんかね? それで実際に使ってるデータ量を確認してみましょう」

いや~、明細なかったですね。すみません、どうしましょう?

今ね、○○社調べてもらってるんだけど、もしかしたらもっと安くなるかもだって!

へ~。まあ、どっちでもいいけど

ちなみに、よろしければご主人様とお母様の分も一緒にお調べしますよ

姉とは支払い分けてて、母の分とまとめてるのでこっちは大丈夫です(拒否)

そうでしたか。それなら今のままでも大丈夫ですよ

10分後には結局ご注文いただき、全部でNETとモバイル4回線です。

僕「それでインターネットの料金なんですけど、明細がなくても一般的な料金で比較できますよ。

そしたら、うちに切り替えた場合と比べてみましょう。どうぞお座りください」

弟様も席につき、いよいよ家族全員が揃いました。

ここからが本当の“プレゼン”です。

まずは“プロ”として中立的に話す

それじゃあ先に、お姉様の○○社の使い方と料金を確認させてください

お姉様のスマホをお借りし、画面を一緒に見ながら操作を進めます。

僕「なるほど…これでしたら、確実に安くできますよ。これ、メインの電話番号ですよね?

先月は4GBしか使っていません。○○社のプランだと3GBを超えると自動的に1000円上がってしまいます。そのせいでここ6か月は2台の合計金額が3500円と4500円を行ったり来たりしているようです」

あ、ホントですね~

僕「では、もし仮にうちの5GBのプランにした場合ですが…ずっと980円で済みます。iPadはもっとデータを使っていませんから、2台で約2000円に抑えられますよ」

へー、安いですね!

はい。ケータイは安くできるとして、次はインターネットを見てみましょうか

僕「一般的に光回線1Gと光電話でだいたい月6000~6500円ほどかかります。

ちなみに先ほどONU(ルータと一緒にある機械)を見たとき、固定電話のランプが点いていました。Kさんはすでにうちの固定電話を使っていらっしゃいますから、この光電話は“全く使っていないのに毎月500~600円を払っている”状態でして…

実はショップの担当者が、自分の実績のために不要な固定電話をつけてしまうケースもあるんですよ。もしかすると、そういう状況かもしれません。要するに、この光電話分は無条件でお安くできます」

え~!固定電話重複してたの!?知らなかった…

そうなんです。もちろん、今の会社に外すようお願いしていただいてもいいんですが…

僕「正直、どこの会社と契約しているかを調べて、わざわざショップに予約して、初めて会うスタッフさんに1から説明するのって、結構大変じゃないですか。

もしうちにまとめていただければ、その解約手続きも含めて全部サポートできますから、楽に済ませられますよ?」

そうなんだ~。じゃあもうまとめちゃいなよ

はは笑 ありがとうございます

お姉様は弟様に向かって言いました。犬の話題をしてからというもの、お姉様はずっと僕の味方でした。

ですが、僕のプレゼンはここからが真骨頂です。

営業テクを全開放して「背中を押す」

僕「でもそれだけじゃなくて、今6300円だとしたら、これ見てください。うちの10G(光回線)の料金って、今と同じなんです。10Gあったらさっきの160という数字が1000を超えるか超えないかくらい、一気に速くなります。

これ、料金変わらずで10倍近く速くなるんですけど、もしそうなったら『それいいな~!』って思われます?」

えー、10倍ですか笑 めっちゃ速っ!笑

僕「そうなんですよ。しかもそれだけじゃなくて、切り替え特典つくので1年はここからさらに3000円くらい安くなります。そしたら10倍速くなるだけじゃなくて、料金も半額くらいになるんです。

さらにですよ、もし今日まとめていただけるなら、僕が全面的にサポートします。よく『後でやる』みたいなことおっしゃる人がいらっしゃるんですけど、そしたら僕としては『じゃあカスタマーセンターかショップに足運んでください』って案内になっちゃうんですよね。

僕だったら状況全部知ったうえで、しかも毎日お申し込みをお預かりしてますから慣れたものですけど、これからショップ予約して、1から状況説明して、このお部屋を見たこともないスタッフに委ねるのって怖くない? って思うんですよ。

そういった意味でみなさん『三田さんに来てもらってよかった~!』って絶対言ってくれますから、もしいいなと思っていただけたなら今日全部やっちゃいましょう!

インターネットとお姉様の2回線、なんならもうご主人様とお母様の分もまとめちゃいませんか?!」

営業テクを7個使ってのクロージング。ここ解説記事あったほうがいいかもしれませんね。

そうしたら?

ここでもまたお姉様が僕の味方をしてくれました。

んー、まあいっか、まとめちゃうか。なんかうまく話進められたって感じするけど

はは笑 まあいいじゃないですか!笑

僕「みなさん『やっといてよかった~!』ってものすごく喜んでいただいてますし、僕も絶対に悪いようにはしませんから!

それじゃあすみません、これから正式な申し込みを作るので、少しお待ちいただけますか?」

これで成約。

まとめ

今回特に大事だなと思うポイントを3つにまとめました。

  • 現状確認させてもらう口実・シナリオを事前に用意
  • 実は問題があった、損してたと気づいてもらう
  • 背中を押すために言葉を尽くす

それと、プレゼンのことでぜひ知っておいてほしいことが…

トークスクリプトは覚えるな、いかに現状確認させてもらうかを考えるべし

プレゼンの話しやすさは、完全にアプローチの質に左右されます。

ですのでスクリプトの暗記なんて無駄なことはせず「営業のセオリー」を覚えましょう。

詳しくは別記事で解説したいですが、ひとまず「現状確認→必要性→テスクロ→プレゼン」の順を守るといいですね。

それだけで絶対に成約率が跳ね上がりますよ。

今回は以上です。

アプローチ編の冒頭でお伝えしたアポ架電の関連記事はこちらです。

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