2年前は失敗…厄介なお客様を成約に導いた営業トークの全貌

こんにちは。ミタ氏です。プレゼン編はこちら

今回は「2年前に失注した厄介な高齢者」のエピソードをご紹介します。

前回紹介した「架電3アポ全成約」のうちの3件目です。関連記事もどうぞ!

結論から言うと、今回は成約してNETとモバイル2回線(+端末2台)のお申込みをお預かりしました。

問題は「どうやって?」ですよね。

  • 案内自体は2年前と同じ
  • 厄介な性格の高齢者
  • 現状の通信費はすでに安い

むずっ!と思って、最初あきらめていました

でもいくつかの点で前回と違いが生まれて、成約につながったんですね。

つまり、前回との違いは成約率に直結する重要な要素ということです。

ぜひその違いを見つけてみてくださいね。

背景:アポ架電から波乱の予感

アポ架電はいつも通り、自作のトークスクリプトで話し始めました。

ざっくり言うと「プラン変更でサービス増えて、しかも安くなる」といった内容です。

スクリプトは別の機会に紹介させてください。

ところが相手はこちらの言葉にいちいち突っかかってきました。

  • 本当に安くなるのか
  • 変えたくない
  • なんでわざわざ来るんだ

何かのアニメで出てきそうな典型的な「難癖ジジイ」という印象。

僕は説得するようにお伝えしました。

「今のままをご希望でしたら全然そのままでも大丈夫ですよ。ただ、新しくご加入いただいている方と比べて現状明らかに損されているのでご案内しているだけでして、強制でもなんでもないのでご安心ください。」

その後も必要以上に反論せず、事実ベースで案内を続けました。相手の怒気に付き合わず、冷静に受け答えできていたと思います。

面倒なアポはそもそも行きたくないので、いい感じに力を抜いて対応できました。

その後なんやかんやと話が進みアポが成立。ほとんど聞き流しててなぜアポになったか思い出せないんですけど、通話時間が36分02秒だったことだけははっきりと覚えています。

電話を切った瞬間、僕は「やれやれ…」と深く息をつきました。

アプローチ編│2年前に失注した厄介な高齢者のエピソード

お待たせしました~。○○社の三田です~

当日、インターホン越しに挨拶をすると、70~80代のご主人が現れました。

ああ、どうも

架電したときの印象と比べるとだいぶ柔らかい雰囲気じゃん!

てっきり初手から嫌味の1つでも言われると思っていたので、ホッとしながら再び自己紹介をして、それからすぐに宅内誘導しました。

今日も暑いですね~。そんな中、貴重なお時間を割いてくださりありがとうございます!中に入ってもよろしいでしょうか?

ああいいよ、すぐ終わる?

人によりますが、そんなに時間はかからないと思いますよ。お邪魔しまーす!

そうして案内されたリビングで、僕の脳裏に強烈な既視感が走りました。

…ん?めっちゃ見覚えある!?え!あの家!?

テレビの角度、ローテーブルの位置、ふすまの色あせ具合まで、そのすべてが見覚えのある光景でした。

実は僕が新人だった2~3年前に今回と同じくアップセルで訪問した家でした。あのときも屁理屈を並べられて、まともにプレゼンを受け止めてもらえずに失注した記憶が一気によみがえってきました。

2度目の来訪を確信した瞬間、僕の雑談トークの内容は決まりました。

それにしてもお久しぶりです!2年前に一度伺ってますけど覚えてますか?

いや、覚えてないねー

ご主人は僕の右肩あたりを見ながら少し申し訳なさそうに答えました。その言い方や視線のそらし方に、バツの悪さがにじんでいます。

そりゃそうですよね!みなさんもだいたい覚えていませんよ

「ちなみに前回は韓国ドラマについて色々ご意見を聞かせていただいたんですけど、そしたら今回も案内させていただきますのでよろしくお願いします。」

当時は韓国に対するアンチ発言に延々と付き合わされました。

正直「もういいや」と思いました。もし難癖をつけられたら、蚊に刺された瞬間に即叩くくらいの速さで「じゃあ今のままにしときましょう!」と言って帰ってやろうと思ったほどです。

予想外の人物、登場

あきらめの中で案内を始めようとした矢先、近くのふすまがスッと開きました。

姿を現したのは70~80代の女性。おそらく奥様でしょう。

え。奥さんいたの??

失礼ながらてっきり独り身だと思っていたので心の中で驚きつつも、すぐに笑顔を向けて声を張りました。

あっこんにちは~。○○社の三田と申しまして、これから新しいプランの案内をさせていただきます。使い方の案内もありますのでぜひ一緒に聞いててください!

・・・。

奥様は少し戸惑った様子。数秒待つと小さく会釈し、一言もしゃべらずにご主人の背後にあるソファに腰を下ろしました。無言でしたが、ご主人の厄介な性格と比べたら確実に「普通」でした。

これは…イケるかもしれない

夫婦揃って話を聞いてくれる。これは前回との大きな違いの1つです。

それでは、案内スタートです。

難癖で「YES」を貰えないときの対処法

ダメならさっさと帰りたいし、もし成約してもクレーマーになるかもしれないな…

そう思い、今回の案内は雑談をほとんどせず、さっさと本題に入りました。

実際、案内中もちょくちょく「今のままでいい」と、前回同様に否定ばかりしてきました。

案内したメリット
  • 動画配信サービスが無料で視聴可
  • 月額料金400円値下げ
  • 今回は特別無料対応

別に今のままでいいんだよね

わかってたけどホントあまのじゃくな性格だな~

アップセルで、メリット訴求の段階で「NO」と言ってきたのは後にも先にもこの人だけです。

ここで「YES」を貰ってからWi-Fiの話をするのが僕の戦略です。詳細はプレゼン編に続きます。

なので予定通りここで帰ってもよかったのですが、念のため反論処理をしておきました。

こちらとしては今のままが良いのでしたら全然それでいいんです。

僕「プラン良くなって、しかも安くもなって、さらに無料で切り替えできるこの案内にご対応いただいたみなさんは『来てくれてよかった~!』って大変喜んでいただいてますけど、選ぶのはTさんですから。

このままでよろしければ、私これで帰りますからね。(←バインダーをしまうためにカバンを開く)

奥様はどう思われます?(←しまいながら奥様に問いかけ)」

うーん

どっちつかずな反応。ただその表情はどちらかというと「やったほうがいいんじゃない?」でした。

一旦奥さんから「YES」をもらおう

もう一度、お話をまとめますね。今Tさんは他の方と比べて大きく3つ損しています

損している3つのこと
  • 使えるサービスが少ない
  • にもかかわらず旧プランで高い
  • しかも使ってる機械も古い

「お得な点」で響かないときは「今損している点」に表現を変えるのが説得のコツです。

もし今回ご希望されれば、全部無料で対応させていただきます

僕「それでも今のままでよろしければ、こちらとしてもそれで全然構いませんのでこれで私は帰ります。奥さん、本当によろしいんですね?」

んー、私はまあ、変えちゃっていいと思うけど…

え、お前いいの?何か変わるかもしれないんだよ?

でも安くなるんでしょ?今までのサービスは使えるんですよね?

はい、もちろんお使いいただけますよ。ご安心ください

だったら安くしたほうがいいんじゃないの?

んー、まあ、変えちゃっていいか。いいよね?

そうした方がいいと思うけど

ようやくご主人から「YES」を引き出した形に。

このご主人ホント人生損してるな、と思いつつ、ついにこちらの土俵に乗ってきてくれました。

長くなるのでここで切ります。

まとめ

ここまでの流れは、アポ架電→案内→プラン変更の了承を頂くまででした。

本番はここからです。いかにしてNETとモバイルの注文をもらったかはプレゼン編でご紹介します。

ひとまずアプローチ編のポイントを3つ挙げました。

  • アポ架電は力を抜いて、事実ベースで話すと信用されやすい
  • 家族や関係者も参加すると成約しやすい
  • 過去に失注してても、状況が変われば再びチャンスはある

あの時はダメでも、今なら響くかもしれない。営業はその繰り返しです。

とはいえ、このアポが難しいことには変わりありません。ゲームで例えると難易度は「鬼」とか「ベリーハード」あたりかと。実際「ダメなら早めに切り上げて帰ろう」とここに来る前から決めていました。

ただ同時に、「自分の営業戦略がこの人にも通用するのか試してみたい」という興味もありました。

次回は、このクセの強いご主人に対して実際にどんなプレゼンを展開したのかを紹介しますね。

今回は以上です。

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